どうしようかしら、という風にひろ子のわきに立って躊躇しているのに目をとめた。
「あなたも来て下さい。遠慮なんかいりゃしない」
 一同は二階の一室の三方へ詰って坐った。建物のはずれの室で二方に大きい窓が開いた床の間つきの六畳であった。二三人の男のひとたちが、床の間のかまちに腰かけて、三尺の入口のふみこみのところだけ、すこしすきがのこされた。
「あ、ようござんす。それはまたそれで、あとからやりますから……」
 ござんす、というところがいく分鼻にかかる訛《なま》りを響かせながら、坐っているみんなに挨拶するようにして徳田球一が入って来た。一方の窓を背にして置かれていた小机の前に坐った。
「どうも今日はお忙しいところをすみませんでした」
 女のひとたちは、そろって行儀よくお辞儀をした。又そろって頭をあげて、黙ったまま眼にちからを入れた表情で、カーキ色の国防服めいたものを着ている、はげ上った、精悍《せいかん》な風貌を見つめた。
「わたしは、外国へやられたり、牢屋へ入ったりばかりしていて、これまでに結婚生活をしたのは、たった七ヵ月ぐらいのもんでした。だから、御婦人の生活をよく知っているとは云えないか
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