。滑稽なことであったと思う。人間が社会のそとに生きているものでない限り、人間的ということの中には、社会的であるということが、はめこまれた条件となっているわけである。人間の生理をいう場合、それがはっきり犬の生理とちがう点は、犬の一生にはない人間の社会生活環境から来る生理的影響がとりあげられなければならないことである。人間生理がそもそもそういうものであるのだから、最も人間的な、人間だからこそそれを創り愛す芸術に社会性がないということこそ奇怪である。俳優の社会人としての人格確立が考えられないわけもないのである。[#地付き]〔一九四六年十一月〕
底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
1979(昭和54)年11月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
1952(昭和27)年5月発行
初出:「テアトロ」
1946(昭和21)年11月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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