少しほかついて居ない。
長く此処に居る祖母は、「こんな事に驚いて居るなら三尺も雪が積る時はどうする」と笑った。実際私はまだ七寸より厚く積った雪を見た事はない。
小学校の先生は、自分の家の縁側に出て、
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「ひどく吹きやしたなあどうも昨晩《ゆうべ》は妙に凍《しみ》ると思いやしたよ。
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とこっちの縁側へ朝のあいさつをした。女中は手がかじかんで、湯のみ茶碗を破って仕舞うほどだった。朝になってもまだ、少し許り吹雪めいたものがして居るので女中等は少し遠くにはなれてある納屋へ薪を取りに行くのさえ出来るだけのばして居た。
台所の炉には枯木をうずたかくつんでボンボンもやして居る。もう少しして来て呉れる雪見舞の百姓共をすぐ暖めてやれる仕度である。あばれて気むらな、降り様をした雪なので四辺の様子に、美くしさなどと云うものは少しもない。或る処は、まっ白い海の様に見えるかと思えばそのわきには茶色の草や木や畑がむき出しになって悪く云えば「なまず」だらけの老婆の顔の様にみっともない。祖母と女中は物ずきだと云って随分止めたけれ共、私は、傘をさして足駄を履き、ブルブル
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