盟で行われた全国経済委員会でスターリンは、局部的にもそれらしい演説はやっていない。
一九三一年六月二十三日モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]の全国経済委員会で、スターリンはこう云った。「会議の材料から見ると、わが国の産業は計画達成の点からして、ひどくマチマチだ(中略)この理由は産業発達の新しい条件が発生し、根本的に新しい情勢が新しい指導方針を要求していることにある。つまり、失業のあった時代のソヴェトの情勢と今日は全く違って来ている[#「失業のあった時代のソヴェトの情勢と今日は全く違って来ている」に傍点]。」そして、六箇条のソヴェト産業発達の条件をあげている。中に、失業があった時代労働力はひとりでに流れて来た。ところが農村と都会に失業がなくなった結果、ソヴェトはもう非社会主義的な労働力の自然流動を待つことは出来ない。故に集団農場との組織的契約によって労働力を満して行かなければならない、と云っている。資本主義的な労働力ダンピングである自由契約なんてことはどこを見ても無い。
賃銀の新条件についての事実はこうだ。元の賃銀率(タリフ)システムには、熟練工と不熟練工、過労な労働と軽い
前へ
次へ
全6ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング