が国際婦人デーの仕度をはじめます。ソヴェト同盟では、立派な労働者クラブで大規模の催しが持たれる。わたしら日本の働く婦人もこっちで、「働く婦人の夕べ」をその国際的な働く婦人の日の記念にしようと、一生懸命細かく仕度をしたのです。
 更にもう一つ、この「働く婦人の夕べ」は、わたしらにとって大切な意味をもっていた。それは三月六日のこの催しが「汎太平洋プロレタリア文化挨拶週間」に、日本プロレタリア文化連盟によって行われるいくつかの催しの一部をなしていたことです。「汎太平洋プロレタリア文化挨拶週間」というのは、日本の勤労大衆を幸福にしようと勇ましく闘って来た、日本共産党員の何千人かが四年前の三月十五日に敵の手に捕えられた、有名な三・一五事件の記念として、アメリカのプロレタリア文化連盟が申し込んで来た文化記念週間です。日本を中心として、アメリカ、中国、フィリッピン、濠州諸国の勤労大衆が一斉にプロレタリア文化の催しをやろう、そして、それぞれの国のブルジョア・地主の政府がめぐらす帝国主義戦争への悪煽動を蹴とばして、プロレタリア・農民の固い握手をとり交わそうというのが目的です。日本プロレタリア文化連盟に加
前へ 次へ
全8ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング