う。
それから、ブランクになって居る対話の部、あすこもやめたいと思います。何だか女学世界のようで私の好みに反しますから。
点とりは、生憎非常に多忙なので、ゆっくりあれで遊んで居られません。勝手ですがあのまま御返し申します。二つの大きな消しは御迷惑でも必ず御削除下さい。
とりあえず御返事申上ます。
[#地から2字上げ]中條百合子
富澤有為男様
侍史
一九二七年八月十九日[#「一九二七年八月十九日」は太字]〔京都市上京区小山堀池町一八 湯浅芳子宛 新町より(封書)〕
十九日午前十一時
もやあさん
もう今頃は、万象館で、借浴衣におさまって居る時分でしょう。いかが? 苦楽園の中は狭くるしいところでしょう。どうせ六甲へ行ったらホテルまで登ってしまえばきっと涼しい、大橋房子の涙痕今猶新なり、だろうけれど。――然しこれをもやーさん読むときは、すべて、かった[#「た」に傍点]なわけね。過去です。加茂で読むんですものね。
昨夜、汽車の中どう? 涼しかって? ポンポ巻き入れとけばよかったと後で智恵が出ました。眠るときの為に。おなかが又冷えやしまいかしら。私共はあれから渋
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