たという意味では、この二人の婦人作家は同じ足場にあるわけなのである。私は『牡丹のある家』の作者が、社会的重圧との積極的な揉み合いのうちに、或る時は作品を切りこまざかれつつ、いつしかプロレタリア婦人作家としての向上線を辿りつつあることを意味深い歴史の反映として感じ、作家の発展ということについての深い暗示がそこにこもっていることを考えるのである。[#地付き]〔一九三四年十一月〕



底本:「宮本百合子全集 第十巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年12月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第八巻」河出書房
   1952(昭和27)年10月発行
初出:「輝ク」
   1934(昭和9)年11月17日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年1月16日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全4ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング