チくり重くひっぱった。
「ハラショー」
「ラードノ」
が、あっちこっちからおこった。こうして、伸子たちは、思いがけずまた翌日もスモーリヌィへ来ることになった。丁度|正餐《アベード》の時間でサラファンのひとも講習生の婦人代議員たちも、講堂からぞろぞろ階下の大食堂へおりた。伸子たちが、そっちへ曲る廊下の角でわかれて帰りかけると、サラファンのひとは、
「どうして?」
 立ちどまって伸子たちを見た。
「どこへ駈け出すんです? わたしたちと一緒におたべなさい」
 わきを歩いていた一人の、手に火傷《やけど》のあとのある若くない婦人代議員が、いくらか躊躇している伸子に向って合点合点しながら、
「まったくのことさ!」
と云った。
「革命のときはみんながかつえたけれど、いま、パンは、たっぷりなんだから遠慮はいらないことさ」
 スモーリヌィからニェフスキー大通りの手前まで、電車にのって夕方の街々をぬけてかえる途中、伸子はサラファンのひとと、白黒のひととあんまり違いのひどかったことを、くりかえして心にかみしめた。サラファンのひとが戻って来るまで、伸子は、白黒を婦人部の責任者かしらと思っていた。白黒は、伸子た
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