ソさね、土台会おうなんて――」
「じゃ、そう書いちゃえ」
「そうだ、そうだ」
 素子の書いたノートを、二人でホテルの受付へもって行った。そして、ゴーリキイの室の鍵箱へいれてもらった。ゴーリキイは八番の室であった。
 翌朝、伸子たちはその返事を自分たちの鍵箱に見出した。その次の日の朝十時半に、ゴーリキイは伸子たちを自分の室で待つということだった。
 伸子は白地にほそい紅縞の夏服をつけ、素子は、白ブラウスの胸に絹糸の手あみのきれいなネクタイをつけ、約束の朝の時間きっちりに、八番のドアをたたいた。
 白く塗られた大きいドアがすぐ開けられた。びっくりするほど背の高い、うすい栗色の髪をした若い男が、これはまたドアを開けたすぐのところに立っている二人の女があんまり小さいのにおどろいたようだった。
「こんにちは。どんな御用でしょう」
 こごみかかるようにして訊いた。いくらか上気した頬の色で素子が自分たちの来たわけを告げた。
「ああ、お待ちしていました。お入りなさい」
 狭い控間をぬけて、その奥の客室へとおされた。そこの窓にも小ネ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]の眺望があった。室のまんなかにおか
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