ェ、丁度フラム・フリスタ・スパシーチェリヤの真前の小さい広場のところからはじまっていて、その辺にはいつも子供や買物籠を下げた女の姿があり、並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール》のはじまるところらしい、ごちゃついたざわめきがあった。ニキーツキー門を通って来る電車の終点がこの並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール》の外にあった。並木道の下の停留場ですっかり客をおろした電車は、空のまま戻って行ってすこし先の別の停留場から新しい客をのせた。電車の停留場のある通りは家々の正面の窓から並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール》の雪の梢が眺められる住宅街である。
ひとが、或る町に住んでいて、やがてもうそこには住まなくなる。そのことには、何か不思議な感覚があった。伸子たちの窓からみえる景色が、トゥウェルスカヤ大通りの裏側のこわれた大屋根の鉄骨ではなくなって、アストージェンカの大きいばかりで趣味のないフラム・フリスタ・スパシーチェリヤであり、並木道《ブリ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール》の入口の光景であるということは、何か不思議な感じだった。
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