ミ仮名ワ、1−7−82]では快晴がつづいた。冬の青空がたかく晴れわたった下に、風のない真冬の日光が、白雪につつまれた屋根屋根、雪だまり、凍った並木道の樹々を、まばゆく、ときには桃色っぽく、ときには水色っぽく、きらめかせた。
 モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]河の凍結もかたくなった。雪の深い河岸から眺めると、数株の裸の楊の木が黒く見えるこっち側の岸から、小さな小屋のようなものがポッツリと建っているむこう岸まで、はすかいに細く黒く、一本の踏つけ道が見えた。凍った河づらの白雪の上に黒い線に見える横断道の先で、氷滑りをしている人影が動いた。人影は雪の上で黒く小さく見えた。
 この季節になってから、赤い広場の景色に風致が加った。トゥウェルスカヤ通りが、クレムリン外壁の一つの門につきあたる。漆喰の古びた奥ゆきのふかいその門のアーチのぐるりには、毎日、雪の上に露店が出ていた。どこでもそうであるとおり、先ず向日葵の種とリンゴ売。靴みがき。エハガキ屋。粗末なカバンや、原始的な色どりのコーカサス絹のカチーフを並べて売っているもの。門のまわりはこみあっていて、裾長の大外套をきた赤軍の兵士だの、鞣
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