な指導的理論家としての任務を課した。
同志小林が不屈な精神によって新たな任務を遂行し、しかも最近どんなに刮目すべきテンポで理論家としても発展しつつあったかは「右翼的偏向の諸問題」に関して昨年十二月以来プロレタリア文学、文化に堀英之助の筆名によって発表された諸論策が物語るところである。
昨年四月の白テロ後、文化運動の一部に日和見主義が発生した。文化運動の方針、批評、創作活動、サークル理論、その他日常闘争において、明らかな右翼日和見主義が生じた。「コップ」の中央機関への参加を拒否する同盟中心主義、あるいはさまざまな名目による運動からの脱落、敵との妥協。大衆追随主義としてあらわれた自然成長性への屈伏など。右翼的偏向は、複雑な組合わせと多様と度合とをもって現れたのであった。
「戦争と革命との新たなる周期」において、文化運動の内部に発生したこのような敵に対して、仮借なき闘争こそが必要である。同志小林は、この課題に率先して立ち向い、次々に、逞しき諸論策を送った。同志小林は、日和見主義発生の階級的根源を抉発し、日和見主義者の理論と実践とを具体的にあばき、そのレーニン的解決方向を明示した。
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