いうその人としてのスタイルを日本服にあらわしている人は極めて尠くて、それより先に金めがあらわれて来てしまっている。目につくのが好みより先に金のかけ工合であるというようなことは、やっぱり女の内面の貧しさを裏がえしに現していると思う。
日本服というものを、末梢的にこねくって不徹底なみっともないものにするよりも、働くための服装は思い切って東西を問わないその人々の仕事にふさわしいものに変化させて行ったらいいのだろうと思う。
[#地付き]〔一九四一年四月〕
底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
1981(昭和56)年3月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:「婦人の生活」第二冊、生活社
1941(昭和16)年4月発行
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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