るし、又しないからって随分ひどいやつ[#「やつ」に傍点]もあるのですからね。男も間違ってるかも知れないが、女だって随分ウカウカと日を暮らしてる人が多いのですから……
女性にとって男性は或る場合は夫であり、またパアトナアであり、また友人であったりしますが、現在ではそれぞれの位置は機械と同じことで同じ生活の循環をやっているのです。古いものが棄てられて新しいものが――といっても気持の統計がとれるものならば、結婚など真に新しい気持でやっている人は極僅だと思うのです。
結婚する女の人達にしても、それが、つまらないと分っていながら、どっちにしても同じことだというような気持から疑いながらも、その根本をきわめないで循環の生活を送るようになるのではないでしょうか。
[#地付き]〔一九二七年十一月〕
底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
1981(昭和56)年3月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「読売新聞」
1927(昭和2)年11月30日号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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