中條精一郎の「家信抄」まえがきおよび註
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)黒白《ブラックアンドホワイト》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
(例)実にこと/″\しい。
−−
父は、ものを書くのが特に好きというのではなかったようですが、一般にまめであった性質から、結局はなかなかの筆まめであるという結果になって居たと思います。
一生の間には、事務的な用向ではあるが夥しい度数の旅行をして居りますから、その都度書いてよこした寸簡類がもし今日迄保存されていたら、恐らく大した数にのぼって居たことでしょう。
どういうわけか、父が家族に宛てて書いた手紙類は実に小部分しかのこって居ません。日頃あんまり活々と生活していたし、最近の十数年は、手紙類も用向だけを、(一)(二)という風に箇条書にしてよこしたのが多か
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