親子いっしょに
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九五〇年六月〕
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子供たちの明るい人生をつくろうと、このごろではいろいろな親と子と教師のための本なども出て来ましたし、美しい外国映画も紹介されます。
しかし現実の毎日の生活のなかで、主婦であり母であるひとの心痛のたねは、どこにあるでしょう。幼い子供から中学生にいたる年配の家の子どもたちとしての少年、少女のなやみは、どういうところにあるでしょう。
いくらかでも自分で働ける若いお母さんたちが託児所の必要にめざめて来た勢は、金づまりと共に、きわめてつよいものがあります。子供の雑誌でも託児所が必要である年ごろの児童用から小学六年生までのものは、だいぶよくなりました。
幼児の生活が、健康の点にも精神の上にも一生を通じて大切だということに着目されて来たのはよろこばしいことです。
ところが、中学生のものになると、今出ている少年向の雑誌の多くは、急に内容がおそまつになっています。どう編集していいかわからないらしくて、ともかく野球と冒険談で
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