神の本質ではないだろうか。
誕生このかた不断の栄養失調のうちに辛うじて息づいて来た旧日本文学の精神は、全く非人間的な擅断《せんだん》と営利主義とによって導かれた自身の崩壊さえも、その事実の重大さにおいて自覚し得なかった。
新しい文学創造の源泉は決して器用な便乗の手際には存在しない。世界文化の水平線の上に露わされている旧日本文化の後進性とその深い由来とをきわめつくし、その努力を足場として前進して行く明察と勇気との中にこそ新日本文学の端緒が期待されるのである。[#地付き]〔一九四五年十月〕
底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
1979(昭和54)年11月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
1952(昭和27)年5月発行
初出:「毎日新聞」
1945(昭和20)年10月29日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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