すが、ルポルタージュというものの性質がのみこめていなかったため、文化映画の仕事の説明となりました。「療養しながら」(田村由岐)ここに語られている心持は実感からのものであり、生活への理解も正しいと思いますが、これも感想であってルポルタージュではないのが残念です。「憂鬱の弁」(玖島ひさ子)勤めている若い女が官僚風な空気の中でくしゃくしゃする気分はかかれていますが、ルポルタージュというものは、後記にかかれているような気分と本文の気分の間に漂う自分を自分で把握した上で具体的に書かれるものでしょう。[#地付き]〔一九四〇年五月〕
底本:「宮本百合子全集 第十一巻」新日本出版社
1980(昭和55)年1月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
初出:「女子文苑」
1940(昭和15)年5月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年2月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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