円八七銭 小作農二八円七一銭
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現在の農村は事変以来二割近い手不足で甚だ困難している。従って老人、女子、子供は一層農村で大切な労働力となって来た。昨年は一部落当に老人二人婦人一人半子供十人半が平常より多く働いた。
明日の農村の希望は零細な耕地の整理と資材の問題の解決とともに耕作が益々機械化されてゆかなければならないことである。日本型トラクターの能率は馬耕の二倍、人耕の十二倍で、しかも反当りの費用は人耕の四円五十三銭に比べて僅か一円九十五銭ですむ。
明日の農村の希望はまた生活の習慣や衛生条件の改善にある。共同炊事や托児所や診療施設など。若い農村の女性こそ青年たちと力を合わせ、新しい農村は生活を建設してゆく輝きでなければならないと思う。
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
1952(昭和27)年8月発行
初出:不詳
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
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