分野に活動している。家庭の主婦たちにしても、いろいろな婦人団体やクラブの仕事をしている人の率が多い。世界民主主義婦人連盟、反ファシスト同盟、人権擁護同盟そのほかに属している婦人たちの数も少くない。これらの婦人たちが切実に要求しているのは平和であり、民主的であってゆたかな生活の安定であった。その事実を選挙によって表現し、政策をその方向に動かした。そして、トルーマンの公約が選挙のゼスチュアに終らないことを監視している。慣例的な二大政党制はアメリカでうちやぶられた。民主的な人民は、事情によっては彼らの票を集中するウォーレスの党をもっているのであるから。
 わたしたちは、こういう事実からなにを学ぶだろう。まずさしあたり、日本の首相吉田が、再開の国会において、一般施政方針の演説もしないで、日本のタフト・ハートレー法を通過させようとしていることは、妙だ、ということである。政治一般の方針を示さず、検討せず、どうして公務員法案だけは通してよい法案であることが納得されるだろう。政策のはっきりしない政党を支持しようがない、という現実がアメリカの大統領選挙においても示された。いま政権をもっているということが
前へ 次へ
全15ページ中13ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング