ることについても冷静に見てゆく女のぱっちりと澄んだ眼が求められているのではないだろうか。それらのどれもが、近づいて見れば、いわゆる女らしさから何と大きい幅で踏み出して来ていることであろう。
 刻々と揉む歴史の濤頭は荒くて、ふるい女らしさの小舟はすでに難破していると思う。私たちは、近代の科学で設計され、動的で、快活で、真情に富んだ雄々しい明日の船出を準備しなければならないのだと思う。[#地付き]〔一九四〇年二月〕



底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「婦人画報」
   1940(昭和15)年2月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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