い様な落しばなしをして居た。千世子の口元はついついゆるみそうになって来た。さっきあんなに怒っておいてすぐ仲間入りさせてもらうと云う事は何となく権威をそこねる様でけぎらいの千世子は自分が先に頭を下げる事は出来なかった。笑いそこねた妙にはばったい口元をしてはなれて歩いた。
Hも又「さっきは私がわるかったからサ、もう仲なおりネ」
とは云いにくかった。二人はどっちか早く「もう」と云い出して呉れればとまち合って居た。
千世子は歩きながらHの様子を見た。ふっくりと柔味のある光線をうけてしおらしげに耳朶やくびすじはうす赤にすき通って居た。時々気にしたらしくまっくろな髪を上げる小指の先が紅をさした様に色づいて居るのや、まぼしいほど白い歯がひかる事なんかを千世子は見つけて思わずうす笑いした。
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「私はあの人のあの娘みたいなきれいなところどころに免じて私から仲なおりをしよう」
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わだかまりない気持でこんな事を思った。人が違った様に顔中笑を一っぱいにして二人のそばにかけよった。
三人はかおを見合わせて何とも云えないほどいろんな感情の入りまじった笑い方をし
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