歩きながら、
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「随分俗っぽいところですネエ」
「あの家並の茶屋に黄色い声でほざいてる女達がよけいに気に入らないじゃあありませんか」
「あの声につられるマットン・チョップ(間抜もの)もあるんですかネエ」
「案外なものですよ、十人十色世間は広いんですから」
「又時間をつぶして来ようとは思えないところですわネエ、そうじゃあない?」
「すきずきですよ、すきな人もないではありますまい、キット、君は?」
「サア、すきませんネ、こんなところ、二度と来るもんですか」
「いまいましそうですネどうしたの? 私知ってますわ!」
「そんな事を云って居るもんじゃあないんですよ、――」
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Hはこんな事を云って一寸いかつい目つきをしてわきにひっかけて居る千世子のうでを押した。
下をむいてクスクス笑いながら、
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「ハイハイ」
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と何もかにもをまるめてうのみにする様な返事をした。
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「ここの栗めしや竹の子めしって随分下らないもんですネエ、そりゃあおどろくほどですよ、不美味《まず》くって……」
「そう、
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