すまいネエ」
「それもわかりませんワ、大抵はありますまい、そんな事はあんまり約束しちゃわない方がいいんですワ」
「私はそいじゃあ一人で約束しましょう、きっと貴方と仲が悪くなりませんどんな事があっても……」
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Hは斯う云って小さな十字を額のところに切った。
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「私貴方がすきですワ、だから若し貴方が健《すこやか》でいらっしゃる時に私が死ぬ様だったら呼んであげましょう、貴方の死ぬ時も行ってあげましょう。でもいざとなった時貴方は御ふるえになるでしょうネエ、キット」
「エエ、私は死ぬ事を恐れてるんです、神様から下さる人が目の前に現れるまでは……」
「現れると一緒に頓死して御しまいなさる?」
「そんなに茶化すもんじゃあありませんよ、私の真面目で云って居る事はネエ」
「じゃあ私は貴方の、貴方は私の運命をお互に見合ってるんですの? いやな事ってすねエ」
「…………」
[#ここで字下げ終わり]
千世子はHの考えて居る事がよくわかって居るのに知らないふりをして居るのや、いやに高くとまった自分の心を心の十分の一にもならない言葉で云うって云う事がいやになって来
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