ほんとうにネエ、もう一年ですネ、今年の一年は今までの一年と随分内容が違ってます私にとっては。
 第一、ここの御家にこんなに段々親しくしていただく事、阿母さんと貴方とが私の相談相手にもなぐさめて下さる人にもなっていただける、ほんとうにどんなに何だか斯う嬉しいかわかりませんよ。私みたいに独りぼっちで苦労して居なくっちゃあならないものには斯うした御家のあるのがこの上もない事なんですもの……」
「親しくして呉れる人のふえるのってのは誰だってよろこぶもんですワ」
「でも貴方みたいに皆から可愛がられて居る人はそうひどくは感じないでしょう?」
「どっちかと云えばねえ――親しくして呉れる人の三人ふえた時のうれしさより中位にして居た人でもはなれる事はつらさがひどうござんすものねえ。だれでも私のそばに居た人がはなれて行くと云うのは大きらいですワ、ほんとうに……」
「でも貴方はほんとうに幸福な方だ!」
「一寸Hさん、あんた私をもう一年も前っから知ってらっしゃるくせに千世子さんなんて御呼びんなるんですねえ、なぜ?」
「なぜって――貴方私が千世ちゃんなんて呼んだら御怒りになるでしょうキット……」
「始めて会った
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