った時千世子は立ち上って一人一人に、
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「貴方は色がくろくなった」
「貴方は手が大きくなった様だ」
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なんかと云いながらその顔や体をつくづくとながめてまわった。
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「アア、お父様御はげがちょんびり育った」
「オヤ、正ちゃん貴方は――」
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云われる人もうれしそうにして居た。Hさんの前に来た時、
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「先の中と一寸も御変りにならないんでしょう」と云ったきりとなりの源さんの前では、
「勉強がすぎて私の二代目になりかかってらっしゃる様だ!」
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なんかと云って自分の事等はすっかり忘れてしまった様な気持で居た。
父親は風呂に母親は小供の世話に三人きりになった千世子は小さなふくみ声でこんな事を云った。
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「この頃の海辺って神経質な人が長く居たら気違いになってしまいそうにまでしずかで、こい光った色と香いをもっているもんです事ねえ」
「マアほんとうにかえりたくなった事が有ります、心が二つに分れた様になってネエ」
「今になると家の中にジッとして
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