りするのを、目の合うたんびに笑いかえして居るのもうれしい心がさせる事だと千世子は思って居た。
 新橋についてドアに手をかけた時、迎えに出た人の中にHさんと源さんの首から上を一番先に見つけそのわきに父親の立って居るの車夫が二人のび上って居るのも見つけた。
 手をのばして高いところで二三度ふるとその人達は皆見つけて千世子の居る車の前に立った。
 母親は父親に小供は車夫に千世子は源さんとHにたすけられて降りた時胸いっぱいにうたをうたいたいほど嬉しさがこみ上げて居た。
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「マアほんとうに私はかえってきたんですワネエ、ほんとうに――」
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 一人一人の顔を笑って見ながら溜息をつく様にひびく声で云った。
 母と小供は車にのって帰るから千世子にも車で行けと云われた時、
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「ざっと一月ですもの電車にのって見とうござんすワ」
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とあまったれて父親をひっぱったのも千世子には珍らしい様子であった。
 こんだ電車の中につめこまれてゆれるたんびにHと体のぶつかるのや、父親のところによろけるのや、夕刊うりのこえや、そんなもの
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