よんだりしちゃあ、いけませんよ、勉強するんじゃあないんですよ、馬鹿げた様な気持になって遊んで居ればいいんですもの……土曜から日曜にかけてお父さんが行らっしゃるんだろうから私も都合がよかったら上りましょうネ」
「ほんとうにいらっしゃる? でもあてには出来ないこってすワ、二十日ほど貴方の顔に合わせる人がないかも知れませんわネ」
「エエほんとうにネ、今日よりも見違えるほど好いかおの色で二十日立ったら帰っていらっしゃい。キットネ」
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二人は立ったまんまこんな事を話し合った。
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「Hさんも千世ちゃんも西洋間にいらっしゃいナ? お茶を入れましたから……」
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母親が大きいこえで云ったんで千世子はHを後から押して西洋間に入った。
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「千世ちゃんお前のハンカチーフが二枚ほか入って居ないから、名の縫いつけてあるのを五六枚出して御出」
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と云われて銀の錠をカチャカチャ云わせて納戸の西洋箪笥の二番目の引き出しをあけた。沢山入って居るハンカチを一つ一つよって居る間に茶色のインクでこまっかく何か
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