のような一個の男の欲求の肯定から出発した設計の描写ではなくて、現代の常識が何故そのような図取りで人間に生命の保存を考えさせるか、そのような考えかたに対して人間はどう判断し感じているか、という課題にこそテーマとして、ふれるべきである。
六月号の『中央公論』にのっている岩上順一氏の「運命の構造」という論文も今日の文学の上に現れている生態[#「生態」に傍点]的傾向についての考察をのべている。文学に人間の人間らしいいきさつをとり戻さなければならないということは新な重要さで考えられなければならないと思う。[#地付き]〔一九四〇年五月〕
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
1952(昭和27)年8月発行
初出:「早稲田大学新聞」
1940(昭和15)年5月29日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
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