酒奨励運動では、女と子供が実によく働いてる。可愛いピオニェールになってる自分の息子や娘達が凜々《りり》しく隊伍を組んで雪ん中を「酔っ払い親父を排撃する!」って赤いプラカート担いで行進されちゃ、参るのさ、ソヴェトのピオニェールや自覚した婦人労働者はしっかりしてるからな。病院へ入れて中毒を療して貰っても、また悪い癖に戻るようなルンペンは、生産に携る勤労者として価値ないと云っていつまでもくっついて、自分達の生活をダメにさせちゃ置かぬ。
――この頃はどうなんだ? ましか?
――ずっと増しだ。第一消費組合の店は土曜日、日曜日、例えばメーデーの前日、酔っ払う可能の多い日は一切酒類を売らない。ふだんでも売る店が町の中でどこときまっていて、あとは閉められたのが多い。酒場も減った。酒場でも店でもアルコールの強い酒は売ることを許されない。
――ところで、じゃ一月九日――一九〇五年の「血の日曜日」の記念だろう? それはどんなにして行われるんだ?
――昼間は普通だ。働く。夜クラブが催しをやる。一九〇五年の革命が世界プロレタリアート解放運動史の上にどんな重大な意味をもっているか、革命的プロレタリアートは
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