が、どれほど複雑、困難な現実の内容を持っているかを知ろうという方向に導こうとせず、愚な鸚鵡《おうむ》のようにきまり文句を平気で若い女性たちがくりかえしているのをよしとするのであれば、それこそ、日本文化中央連盟がそれに向って勇ましい戦いを宣言している国民文化の模倣性、独創性の欠如そのものの実際的な強化以外の何ものでもないのである。
日本の女は一人たりとも自身たちの愚かさと、乳児死亡率の最高位であることで世界に冠絶したいとは願っていないのである。[#地付き]〔一九三七年八月〕
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
1952(昭和27)年8月発行
初出:「東京日日新聞」
1937(昭和12)年8月13日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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