、書けている、いないと云うが、彼等は自分の世界観を階級性に狭められているため、プロレタリア文学についていう場合、それが何をどう書こうとしているかさえ見えないということが明白に現れているのである。
経営・農村で働きつつ、闘争しつつプロレタリア文学を擁護し、それを制作してゆく労農文学通信員などこそ、同志小林が前衛作家として築いた到達点を推し進めるべき歴史的必然性の上にたっている。我々は、鋭く強靭に、粘りづよく自身の日常闘争を押しすすめよう。そのことによって、政治的に高まり、新しいタイプのプロレタリア作家として自身を鍛え上げよう。よいプロレタリア文芸の働き手はいつも必ず闘争においてひるむことを知らぬ卓抜周密な同志である。[#地付き]〔一九三三年六月〕
底本:「宮本百合子全集 第十巻」新日本出版社
1980(昭和55)年12月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第七巻」河出書房
1951(昭和26)年7月発行
初出:「文学新聞」
1933(昭和8)年6月16日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年1月1
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