う少し周囲の高級な、部屋ももう一つ位多い処へ行きたい希望がある。然し、目下の所、いつ其が実現されるか難しい。我々の経済状態では、六七十円の家賃は、あまりうれしくない。高く出すと、出せない時もある心配が要る。
[#ここから3字下げ]
此割合で行くと、二十八坪ばかりあることになる。
これ丈果してあるのか? 処々、実際のプロポーションと異るような感じのする処がある。
[#ここで字下げ終わり]
[#図1、家の間取り]
此間から、どうかして、今の家のプランを画いて見たいと思って居た。なかなか出来ない。到頭、今、曲りなりに線を引いて見た。時が経って見たら面白いだろう。此程、単純な平面に区切りをつけるに苦心を要するのを考えると母上が、まるでプランを理解されない血統を牽いたのか。可笑しい。
底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:同上
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2004年2月15日作成
前へ
次へ
全19ページ中18ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング