、正しい列で秩序を保つようにすすめなければならない。
 女の静かな勇気が、よりよい日本をつくってゆくためにこういう面でも切実に必要とされて来ている。

        米飯ぬきデー

 節米、米飯ぬきデーがはじめられる。主婦たちの機智と愛とは一層台所での活躍を求められる。
 人間はあらゆる生きものの中で一番何でも食べる能力をもっている。決して悲観に及ばない。けれども、科学的な知識は益々大切である。難関をのりこす精神力も、肉体が土台である。

        女靴一足二十円

 二十円と価のきまった女靴は、靴屋に云わせれば冬物なんかお穿けになるようなものは出来ますまい、という話である。
 悪妻は、良人から渡された金がすくないと、それで出来る賄いはこれですよ、とひどいものを並べて辟易させるというさもしい手を心得ている。
 贅沢品とりしまりの標準は月収三百円とかいわれているが、これに該当する生活者は日本の全人口の僅何割かに過ぎない。標準の低下を叫ばれるのは当然である。そして、一方に、悪妻的さもしい手を用いる隙を与えないように、原料その他の価が考慮されて欲しい。

        教員の生活保
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