客のえりごのみもする。見る瞳さえつぶせば、と盲目にして娼婦の営みをさせた。孔子の言葉は現実をどこまで改善しただろう。
粤東《エットウ》(広東)盲妓という題の詩が幾篇もあって(支那女流詩講)、なかに、
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亭々倩影照平湖 玉骨泳肌映繍繻
斜倚竹欄頻問訊 月明曾上碧山無
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魯迅の傷心の深さ、憤りの底は、云わばこういうところまでさぐり入って共感されなければならないものなのだろう。
底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
1981(昭和56)年3月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:不詳
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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