なければならないでしょう。

 幾千の若い僚友よ
 わたくしは、こんにち病気のために、ここに立って、親しく話すことのできないのを残念に思います。しかし、日本の良心のため、学問の自由のため、そして、日本の理性をまもるために、わたしたちはこんにちまでともに何事もして来なかったと云えるでしょうか。
 文学が、ヒューマニティーに立つものであり、歴史の発展とともに歩むものであることを知っているすべての良心ある文学者たちは、たとえ、その人々の発言が、こんにちここできかれないとしても、日本の理性の守りのためには、常に諸君とともにあります。[#地付き]〔一九五一年三月〕



底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年6月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
   1952(昭和27)年1月発行
初出:「学生評論」
   1951(昭和26)年3月号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http:/
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