さん、自分、自分の子という生きた歴史の中に、ますます多くのパーセントで、生きよい社会の条件を拡大し確保してゆくという努力をつづけることが肝要です。若い方は、どなたも御存知です。服飾の上で自分の色彩を統一して、どれとくみあわせてもみっともなくないようになさいということを。美しくなろうと思えば、自分の体質と皮膚とをよく知って、自分によく合った化粧品をきめて、つづけてゆき、新聞にでる総ての化粧品の広告にまどわされることは不必要であることを。
 人生の進歩的な建設に、わたしたちはこの常識をもって闘うべきです。歴史の中で次第によりよいものが勝利してゆくために、わたしたちの生涯の現実そのものでパーセンテージをたかめてゆくこと。これは、はなばなしくないし、英雄にみえないかもしれません。しかし、歴史は一分から、一時間から、一日からきずかれつつあります。[#地付き]〔一九四九年六・七月〕



底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年6月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
   1952(
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