とのたたかいにおいて、階級的人間への成長のたすけとして、いくらかでもより多く読まれる民主作家は一人でもよけいに入用である。一九四六年来の出版・読書関係の各種世論調査や労働組合のサークル調査を見ても、わたしの話や作品は、大衆の民主的・前進的感情の何らかの真実と結ばれている。「播州平野」にみちみちている戦争への抗議は人々の生活の底にうずいていないものだろうか。この一月に自分の手から一票一票と三百万の票を党におくった人々の心に「風知草」が描いた代々木本部創立当時のおもかげは、何のよびかけももたないだろうか。「二つの庭」がよまれたのは、まだ日本の社会、とくに婦人の生活から封建性がとりのぞかれていないで、その重荷とたたかう重感が、作者と読者とを貫いて生きているからである。こんにち反動は、おそろしげに鉄のカーテンとよんでソヴェト同盟の現実をかくそうとしている。「道標」をよんだ職場の人々は、ソ同盟にいるのも同じく働く人民であり、人民の幸福のための政治と組合と、学校、家庭をもっていることを知って、ソ同盟への親しみと理解とをより深めている。これらのことは、民主革命へのこんにちの途上で、わかりにくい内容の
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