て、平和産業の部分は全く閉塞させられたから、それによって経済的な打撃を被った家庭は非常な数にのぼった。又経済的な柱となる男子が出征し、或は徴用工になり、収入は減って、それによって生計が不安になった家庭も非常に多かった。随《したが》って若い婦人の職業への進出ということは、それぞれの人の生活的たたかいでもあった。けれども、動員法によって動員された学徒、女子勤労挺身隊などの勤労状況は決して楽観すべきものではなかった。戦争遂行者たちは夢中で軍需生産の拡張を希望しているから、実際は全くインチキな施設と内容としか持たない工場でも、それが軍関係のものであって、徴用工と女子挺身隊とを、どっさり自分の工場に働かせているということにさえなれば、軍人の思惑がよくなって、資金の融通、資材の配給上少からず便利を得た。そのために、徴用工の採用にしろ、挺身隊の採用にしろ、工場の実力以上の人員を受取って、寮のあらゆる不備な条件、職場そのものにおける労働の条件の不備、だらけた集団生活から起る道徳的な頽廃は時が経つうちに動員された人々の精神に見遁せない悪影響を及ぼして行ったのであった。
 元来日本では、家庭生活の方法が全
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