れた全企業を統率しようとしている。この事実は日本の政府が、一貫して財閥の走狗であり、財閥の利益を擁護することによって自分の利益をも擁護している人間の集りであるという事実を、告白しているものだと思う。現在の支配者の利害は、全人民の幸福と利害と一体ではないのである。
 臨時議会は民主化する日本の歩みを示すように、労働組合法案を通過させた。この法案によって、ようよう勤労者が自分達の権利を自覚し、それを組織し、企業者たちの全国的な生産サボタージュと闘う行動に移しはじめて来た。昨今新聞が伝えているのは何かといえば、二月一日の「四相声明」である。これは労働組合法によって、ストライキの権利を持ち、集団的行動の自由を獲得した勤労大衆を威嚇しようとして「暴行脅迫又は所有権の侵害の虞ある場合にはそれを不法行為として断乎取締る。」という声明が、内務、司法、商工、厚生四人の大臣によって、発せられたのである。新聞を一枚でも読む人は、このような取締方針を布いて、生産に従う人々が生産を高めようとするために、企業家に対してとる必要な行動を統制している権力が、たった一つも資本家のサボタージュを取締る方策を立てていないことに注目するであろう。総ての新聞は、この点を衝いた。若しストライキが起るとすれば、若し大衆的行動が現場に起るとすれば、今日、それは勤労し生産する者が単に労働条件を改善するというばかりでなく、社会的必要を満たすためにより能率を増進し、より生産を増大させて、生産の真の民主化を計ろうとするためである。よりよく働こう、よりよく社会のために生産し、不安を解決しようとする勤労者らしい自主の熱心をもって、労務階級の利害判断と共にサボタージュしている企業家を刺戟するためである。総てのストライキと勤労者の行動の根本には、企業家の悪質なサボタージュがある。ストライキする労働者に対して、彼等は工場閉鎖で脅かす。働かないで食えるのは、企業家たちである。政府が最も「断乎」糾弾すべき本体は、このサボタージュのそれにある。しかし政府は、このことについては沈黙を守っている。自身、その企業家サボタージュと双生児《ふたご》の性質を持っている民主化へのサボタージュをやっている政府が、どのような決定的方法を執り得るというのだろう。
 最低賃金というものが公表された。二十五歳から五十歳までの男子最低四百五十円。これは成程今まで
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