は、男も女も、実にひととおりでない苦労をして、何とか雑誌を出しつづけようとしました。けれども遂に『働く婦人』はたとえて云えば、物を云いたい口に猿ぐつわをはめられたようにして、潰されたのでありました。
日本が民主日本として新しく発足しようとし、こうしてまた再び『働く婦人』をみなさんにおくれるようになったのは、何とうれしいことでしょう。私たちの此頃は、重大な問題でぎっしりです。私たちは、自分たちの生活を一歩一歩と幸福に近づけるために、知らなければならないこと、知りたいことで一杯です。真面目に働いて生活の向上を願う私たち婦人のために、わかりやすく、しかも偽りなく働く婦人の立場に立って、知識とよろこびと慰めを与える『働く婦人』を、今度こそ立派な雑誌として行きたいと思います。[#地付き]〔一九四六年四月〕
底本:「宮本百合子全集 第十五巻」新日本出版社
1980(昭和55)年5月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「働く婦人」再刊号、日本民主主義文化連盟
1946(昭和21)年4月発行
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年6月4日作成
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