《ひっきょう》明治大正文学の物識り博士たるに止ってしまう。
先頃『文芸』にのった作家と作家の文芸対談が、よそめにはそれぞれ見物を予想しての職業的はったりの利かせ合いのようで、文学そのものに役立とうとするつつましい情熱が感じられなかった。対談の作家たちが、もしこの現実の他面では自分たちがどんな貧弱な読者として置かれているかということを痛感していたなら、恐らくあの調子は変らざるを得なかったのだろうと思う。
[#地付き]〔一九四一年二月〕
底本:「宮本百合子全集 第十二巻」新日本出版社
1980(昭和55)年4月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
親本:「宮本百合子全集 第七巻」河出書房
1951(昭和26)年7月発行
初出:「帝国大学新聞」
1941(昭和16)年2月24日号
入力:柴田卓治
校正:松永正敏
2003年2月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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