まして、もう、でも、そろそろでも到頭でもいいことにしておきましょう。駄目だね、が実際である以上、自分で其を承認している以上、上につくものへ注文してもはじまらないわけですものねえ。更に明瞭なことは、何がつく駄目であるにしろ、ブランカはやっぱり駄目だねと云われ|に《るべく》あくせくするのですから。
 さて、南江堂の目録は、幸にもちゃんとありました。これを見ると、全くこういう本も出した、という記録品の感じがいたしますね、南江堂のがらん堂については前便で書きました通り、二十九日のお手紙で列挙されている本たちもその影だになしよ。しかし手帖に書いておいて(!)古本やをすこし見ましょう。古本やが用をなさなく成って居りますけれども。目白の先生にたのむときこれらを書いて見ましょう。一冊でもあればいいけれども。それから『営養食と治病食』。見つかりません。病気関係の本は一まとめにして一つの本棚に入れておいたのですが、どうしたかしら。自分で売ったりはいたしませんから、いなかった間にまぎれて行ってしまったかしらと思います。
 もう一度さがして見ましょうが。御免なさい。
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