達している世界的水準を明瞭に押し出して、日本文学と同じにアメリカ、中国、ソの文学、イギリス、フランスの文学を観察し得るという能力を示さなくてはならないと思います。そういう機能を高めることは、日本の発展のために重要です。アメリカは「日本がデモクラシーを理解する迄」と事毎に申します。これは興味あることね、即ち日本はアメリカが今日包蔵しているデモクラシーのキリキリ迄民主的であっていいわけなのだし、そうしなければ日本の屈伏は無制限だし。
文学に専心するいい雑誌をどこが出すでしょうね。金儲けでない。そして執筆する人々もジャーナリスティックでない勉強家であるというような。しかし内容も執筆範囲もひろく、執筆者の経済面も市価を保つことが、只今のような生活事情のときは必要ね。C社、Iなんかという人のぐるりは、ああいう「食いたい連」がワヤワヤだからきっとあれこれ「文化的計画」があるのでしょう。「文化」という言葉が再登場しはじめました。其は厳密に扱われて、再登場の喜劇を演じてはならない立場に置かれていると思います。
日本文学史が世界的見地から書かれ、其ままホンヤクされれば、世界の知識人に会得され得るよう
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