腕でゆうべはシャベルもって土かけしたから、きょうの工合は物凄うございます。〔中略〕
千葉で休んで来た力で移動の仕事やってしまって、なるたけ早くここを動きます。東京にいなくてはならないということと、ここにいるということとは別ですから。今一寸何をするにも只金を払う丈ではとてもだけれども、マサカズが来た結果すこし便宜な条件が出来ましたから、それを活用して動きます。ペンも岩手の水沢というところに母を疎開させ、自分はどこかその辺で職業をもつことにします。方向が同じで、一人で困るからいろんなこと一緒にして、わたしは一人では困る道伴れになって貰うというわけです。(五反田に近い上大崎に知った家がありましたが、やけたらしいことよ。猿町がないそうですから。)
焼あとが多いことは大したことね。昨夜そう思いました。しかし、あとで焼ければやけるほど万事が骨折りです。いろんなものが無くなるし(乗物など)。来月そちらでお目にかかり、次の月はどうなるでしょうねえ。
七月には、ね。いつまでもおいてきぼりにしてしまったらこまると思います。移動して出たら、もう東京へは戻れないし。でもまア、万一そういうときには又その時
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