さ。「あぶら」の火の珍しいキラキラした明るさ。しかしその光の輪はせまく、集う人々の影を大きく不確かに動かし映るなかで、蘰のさ百合の匂やかな大きい白さが、男のひとの額の上に目立つ暗[#「暗」に「ママ」の注記]暗の美しさ。うれしさが明暗のアクセントのうちに響いて居ります。蘰は女のひとがおくるものだったと思うけれども。
「笑まはしきかも」に愉悦が響いて居ります、様々のやさしい情がこめられて。
第二巻はまだよんで居りません。三つのうたは初めてで、古歌と思えぬ瑞々しさです。うたを覚えられない私でも、この三つともう一つの「幾日かけ」は忘れますまいと思います。この十三日のお手紙は十五日のと一緒に、十九日についたのでした。
体のこと、確に営養のこともありますけれども、この頃はいい方よ。(食べるもののこと)生活のプリンシプルが、いろいろためてしまっておく趣味でなく、食べものは食べられるとき食べる、というたて前でわたしはやりますから、それこそ、今のまさかにゆるがせしないから割合ようございます。わたしが知らないで、しまわれているまま腐ったりしているものがありませんから。その意味でこれからは今としては最上
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