、光線はどんなに公平かということの美しさですものね。わたしは、テーマの本流に身を浴したいのよ。切に切に其を希います。文学においてだけ、どうしてポシャリポシャリと浅い水をはねかしていなくてはいけないのでしょう。そんなことはない筈よ、ね。わたしたちの生活において。特にわたしたちの人生において。
 いつぞやの手紙に、わたしはおかげさまで沖へ出ましたといったでしょう? あれはここのところだと思います。先の頃、わたしは勇気と臆病さと七分三分で、ひょいとしたとき、岸が恋しくなったのね、人声やジャーナリズムのざわめきや、そういうものがききたくなったのでしたと思います。
 来年の日記を何につけようかしらと思ってね、あちこちひっくり返して十三年の日記見つけました、一月丈かいてあるの、いい綴《トジ》だし、これにしようときめて、書いてあるところよんでみたらば、丁度十三年の封鎖[自注15]の当初だったのは面白うございました。そして同時に、すこし自分に愧しいの、あわてています。遑てるのは当然だけれども、あわてかたがね。堂々とあわてているというのも妙だけれどもマアそういうあわてかただといいけれど、上気せあわて気味
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