偉く[#「偉く」に傍点]なって居りますからね。だから、そちらへは、つい、もたれよって、フコフコになるところが少からず、というわけです。だってあなたは、わたしが疲れるとかこわいとか云ったって、少し苦笑して、せいぜい勉強することだね、とおっしゃることは分っていますもの、こうして姉さんやって行けないんなら、田舎へ行って貰うしかないね、なんておっしゃいませんからね。そしてわたしは東京にいなくてはならないのですもの、ねえ。
 土台、わたしのばたくりは、春頃と今と本質的にちがって来て居ります。春ごろのは、本当のばたくりでね、ああいうことがあろうか、こういう風になっては困ると、いろいろの情況を予想して気をもんだ形でした。まだ体がしゃんとしなかったし、急に家じゅうすっからかんになってしまって、もし自分がどうかあったら、あれもこれも、どうなさるだろう、と後脚で突っぱった驢馬になってしまったのね。「あなたはそうおっしゃるけれども」は、私の一代の傑作と見え、大変きつく印象されて、今だに再出現するのは恐縮の至りです。
 今のばたくりの本質は、どんなことになるだろうという風な恐慌的のものではございません。あとで
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