いアンバイに国男がまだいて、防空壕の左官もいて、わたしは手をかけずすみましたから、よかったわ。
 十日のお手紙けさ頂きました。早くついてうれしいこと。早くついたばかりでなく、うれしいお手紙でした。これへの御返事はゆっくりしたときこころもちよく書きたいわ、今は、あっちこっちで人声がガヤガヤして、まるで新聞社のどこかで書いているようなんですもの。しかしこんなに疲れているのに、わたしはこの頃誰にでも元気そうだ、と云われるのよ。何が原因でしょう、あなたのお手紙に、夏の頃より元気らしいとあるので、又思いめぐらすこころもちです。それは夏に負けた体だから涼しいのがいいに相異ないけれど、ひとの元気というものは根源の深いものではないでしょうか、わたしはそう思うわ、血気の元気は自然の年齢で鎮められてしまいますが、年を越え、肉体の疲れにかかわらず、猶、焔のようにその人を輝す元気があるなら、それは、内なる灯で、その灯の油こそ実に実に、ただごとで、そこに充たされてあるのではないのです。わたしはこの頃、自分の内心の幸福感に自分でおどろき、そのそよぎの活々した波だちに殆ど含羞《はにかみ》を覚えるばかりです。それはわ
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