わたしはそういう働きはすこし無理だから、泊っている事務所の若い人に出てもらいました。もう九年ほどつとめている女の子です、営養士の資格をとってね、それで就職したい考えです。あっさりした気質のいい子です。
 一昨年わたしがひっくるかえったときいたたけ、という女が、今熊谷在で産業組合の事務員をして居ります、それがきのう仲間三人もつれて来て、よっての話に、女の技術員になれとすすめられていますが、どうしましょう、というわけなの。農業技術員なのです、肥料配合や何かを指導する。女学校を出たりこういう程度の若い女が一ヵ月講習をうけて、技術員となり、農業指導が出来るものなのでしょうか。それほど、日本の農民は知らないことばっかりなのでしょうか。曰く、「肥料なんか今まで無駄にまいて居たんですね、今のだけでちゃんと出来て、増産して居りますもの」わたしが、集約農業の特徴を話したり質のことを話したりしていると、もうちゃんと聴いてはいなくて文鳥を眺めているのよ。所謂生活力と粗雑さ、粗雑なまま通ることからの自信にうたれました。
 国府津の家が、ああいう役所になって留守番がいるということになり、急に、これ迄あなたのもの
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